もの補助で事業継続力強化計画は【認定済】以外は加点NG!

事業継続力強化計画

中小製造業に人気の高い補助金に「ものづくり補助金(正式名称:令和元年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」があります。

ものづくり補助金は、補助金額が最大1,000万円を基本とするもので、経営に対するインパクトも大きいことから採択に向けて申請書・事業計画書を練り込んでいる事業者も多いのではないでしょうか。

ものづくり補助金において事業継続力強化計画の認定が加点対象となるということは知っている事業者も多いと思います。従来までは事業継続力強化計画の「認定申請中」でも加点対象としてカウントされていましたが、令和3年5月13日(木)から公募開始予定の「7次締切」より申請中は加点とならないことに変更されます。

7次締切以降のものづくり補助金において、災害等加点(事業継続力強化計画の認定)を受ける場合には、認定済みの事業継続力強化計画認定書が必要となりますので注意が必要です。

ものづくり補助金における事業継続力強化計画の加点に関する変更

ものづくり補助金ではいくつかの加点項目が設定されており、後述しますが、いくつ加点を積み上げられるのかということは、採択を有利にするうえで非常にインパクトを持っています。

加点項目(加点内容)は定期的に変更されており、令和元年度の途中より事業継続力強化計画の認定が加点対象とされています。

従来のものづくり補助金の公募要項を確認すると、事業継続力強化計画は申請中でも良いと明記されています(令和元年度補正・令和二年度補正、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、公募要領、〔一般型(新特別枠含む)・グローバル展開型〕(6次締切分))。

令和元年度補正・令和二年度補正、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、公募要領、〔一般型(新特別枠含む)・グローバル展開型〕(6次締切分)
出所:令和元年度補正・令和二年度補正、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、公募要領、〔一般型(新特別枠含む)・グローバル展開型〕(6次締切分)

・成長性加点:経営革新計画承認書※(当該計画の写しを含む)
・政策加点:開業届*又は履歴事項全部証明書(創業・第二創業の場合)
・災害等加点:(連携)事業継続力強化計画認定書※(当該計画の写しを含む)
・賃上げ加点:特定適用事業所該当通知書(被用者保険の適用拡大の場合)

※ 法令に基づく各種取得計画について、申請締切日時点で認定(承認)を受けた計画期間が終了していない場合又は、それぞれ指定された経済産業局・都道府県等に電子申請済み又は申請書を郵送済み(締切日の消印有効)の場合は加点対象となります(記載後、実際に申請書を郵送せず手元に保管されている場合等は、「申請中」とはなりません)。「申請中」の場合、交付決定を受けるためには、認定(承認)後に速やかに認定(承認)通知書の写し及び認定を取得した当該計画の写しの提出が必要です。計画申請を当補助事業への応募時点で行っていなかったことが判明した場合、採択を取り消しますのでご注意ください(経済産業局等から袋とじ状で返送される認定通知書及び認定申請書には、経済産業局等が当該申請の消印日等が分かる受理印が押印されています)。

現行の加点対象では、事業継続力強化計画だけでなく経営革新計画に関しても、申請中でも加点対象になりうるとされていました。

しかし、7次締切分より事業継続力強化計画および経営革新計画ともに「認定済み・承認済み」であることが必要になることがアナウンスされています。

ものづくり補助金総合サイト(公式ホームページ)
出所:ものづくり補助金総合サイト(公式ホームページ)

〔一般型・グローバル展開型〕における加点項目の要件変更について
 令和3年5月13日(木)から公募開始予定の「7次締切」より、加点項目の要件について、以下の通り変更を予定していますので、事前にお知らせいたします。
・成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」
・災害等加点:「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」
いずれも「7次締切」より「申請中」の場合は加点対象となりませんので、7次締切に応募をご検討中の方において、本項目による加点を希望される場合は、早めに承認・認定取得の準備をお願いいたします。

事業継続力強化計画や経営革新計画による加点を狙っていた事業者は注意が必要です。

各種計画の認定・承認までの期間

事業継続力強化計画および経営革新計画ともに申請後、認定または承認まで明確に何日という基準はありませんが、一般的な目安は次の通りです。

事業継続力強化計画の認定までの日数

事業継続力強化計画の申請は、自社所在地の各経済産業局に対して行うことになっており、申請から認定までの標準処理期間は約45日間となっています。

事業継続力強化計画策定の手引き(令和3年4月22日版)
出所:事業継続力強化計画策定の手引き(令和3年4月22日版)

ただし、修正(補正)などのやり取りが生じれば、その分だけ認定までの期間が延びることがありますので注意が必要です。

また、事業継続力強化計画では紙による申請(郵送申請)以外にも電子申請による方法が開始されています。

電子申請の場合にも、紙による申請と同じく45日とされています。

事業継続力強化計画電子申請システム内FAQ
出所:事業継続力強化計画電子申請システム内FAQ

標準処理期間は45日です。
申請書に不備がある場合は、各地方経済産業局からの照会や申請の差戻しが発生し、手続時間が長期化する場合があります。
必ず余裕を持った申請をお願いします。

実際には2週間で認定となったケースや、修正のやり取りが長期化して3カ月後に認定となってケースなど、個別の状況によって認定までの期間はさまざまです。また、各経済産業局によっても期間的な差が見られます。

電子申請の方が早く認定される?

電子申請の方が、紙による申請(郵送による方法)に比べて若干ですが早く認定される可能性があります。
それは、郵送の場合に比べて郵送日数が短縮されるからです。

郵送申請の場合には、経済産業局への到着は速達で送付したとしても当日ではなく、最短で翌日でしょう。その後、経済産業局で受付されて審査(処理)に回るまでにも受付作業などが加わり、一定の時間を要するはずです。また、認定通知書も経済産業局から発送されて到着するのは早くて翌日ですから、送付時も返信時も配達日数がプラスされることになります。

電子申請の場合には申請ボタンを押せば申請情報は経済産業局に流れるため、配達の時間は要しません。認定通知に関しても同様です。

配達日数だけで考えるとたった2日ですが、受付業務や発送業務までも加味すれば、もう数日は早くなる(早く認定を受けられる)可能性があります。

ものづくり補助金において、事業継続力強化計画の認定による加点を受けられるかどうかは、採択率を高めるうえで非常に重要なポイントとなっていますので、1日でも2日でも早く認定が受けられるのであれば、安心だといえます。

なお、事業継続力強化計画の申請を電子申請で行う場合には、GビズIDのプライムアカウントが必要です。ものづくり補助金を申請する事業者であれば、既にgビズIDは取得済みであると思いますが、GビズIDがない場合には事業継続力強化計画の電子申請を行うことはできません。

また、電子申請の場合には認定通知書の押印がなされないことに注意が必要です。

とはいえ、紙による申請(郵送申請)であっても、大きな修正(補正)などのトラブルがなければ、45日以内に認定を受けることができるのは事実です。

小さな修正・補正がある場合でも、早めに対応すれば認定までの期間がそれほど長期化するということはありません(各経済産業局の指示に基づいて修正を行った場合、その時点から45日後ということにはならないものと考えられます)。

修正を行った場合でも申請から45日以内に認定を受けられているのが現状ですが、もし、修正指示があった場合にはできるだけ早く対応するようにしてください。

なお、事業継続力強化計画の申請時には申請書(事業継続力強化計画)のほか、チェックシートの提出も必要となります。

このチェックシートには、補助金の申請を予定している場合には記述をする欄(本計画の申請に併せて補助金等の申請を予定しているも場合、補助金等の名称を記載)があります。

ここに記述をしたからといって、認定までの期間が短縮されるという優遇が受けられるようなことはないと考えられますので、過度な期待はしない方が良いです。

事業継続力強化計画チェックシート
出所:事業継続力強化計画 チェックシート

チェックシートに関してはこちらで詳しく解説しています。

経営革新計画の承認までの日数

経営革新計画とは、簡単に言えば「事業者の新たな取り組みを経営計画としてまとめたもの」です。中小企業等経営強化法による承認を受けることで、さまざまな支援策を受けることが可能となっています。

この経営革新計画の承認も、ものづくり補助金の加点対象となっているのですが、今後はものづくり補助金の申請時点で申請中ではなく「承認済み」であることが求められます。

経営革新計画の申請は、事業者の所在地を管轄する各都道府県(共同申請の場合は国の場合もある)に対して行うものとされており、承認までのプロセスは都道府県単位で大きく異なるものとなっています。

2021年版経営革新計画進め方ガイドブック、中小企業庁
出所:2021年版経営革新計画進め方ガイドブック、中小企業庁

承認プロセスというのは、承認までの流れや期間を含むことと考えてください。

従って、A県では申請から承認まで2カ月掛かることがあれば、B県では3カ月掛かることもあります。また、C県では申請書の内容について、事業者によるプレゼンテーション審査が行われることがあれば、D県では書類審査のみというケースもあります。

承認自体を県が行っているため、都道府県によって承認までの審査方法や期間、流れが全く異なるというのが経営革新計画の特徴となっています。

また、審査に関しては一部の県を除いてかなり厳格に行われており、すんなりと承認してくれない(通過させてくれない)ことがほとんどです。

2021年版経営革新計画進め方ガイドブック、中小企業庁
出所:2021年版経営革新計画進め方ガイドブック、中小企業庁

2019年に経営革新計画の承認を得た事業者は全国で4,284件しか存在しません。承認数が一桁という都道府県も多く、これは申請を行う事業数が少なかったということもあると言えますが、審査の上、不承認となり、承認されなかったというケースも多数存在することを示唆しています。

いずれにしても、経営革新計画の承認をものづくり補助金の加点として積み上げたいのであれば、できるだけ早めに商工会や商工会議所などの支援機関や都道府県の担当者に相談して、スケジュール感を把握しておくと良いと思います。また、経営革新計画は策定までに概ね1カ月程度かかる可能性が高く、申請後はほとんどの都道府県で「修正」を指示されることになります。

そう考えますと、着手から承認を得るまでにスムーズに進んで3カ月が標準的だと考えられます。都道府県によっては、順調に進んでも半年程度かかる場合もあります(申請受付や審査が年に数回しかないところがあります)。

経営革新計画の承認を得るためにはかなり根気のいる作業が多いため、早めに着手することをおすすめします。

ものづくり補助金では加点を積み上げることが採択率アップのうえで最重要ポイント

ものづくり補助金の採択情報を整理した「データポータル」によると、採択を勝ち取るうえで加点項目を獲得することがいかに大切であるかが確認できると思います。

【加点項目の数】
ものづくり補助金データポータル(加点項目の数)
出所ものづくり補助金データポータル(加点項目の数)

加点項目の数が増えれば増えるほど採択率は右肩上がりでアップしていきます。このデータからは、最低でも2個の加点を積み上げることの重要性が理解できるとしたら、その1つに事業継続力強化計画の認定は選択肢に入ってくることでしょう。

今後、ものづくり補助金での採択を狙う場合には、今まで以上に「加点に対しても計画性をもって進めていく」ことが求められていくことになります。

特に、事業継続力強化計画も経営革新計画も、申請すれば必ず認定・承認を受けられるものではないこと、修正指示への対応によって予定していた認定・承認期間が延びてしまうことの可能性がある、といったことに注意をして、早めに着手することが大切だといえます。

事業継続力強化計画は2日程度あれば自社だけで作成することができます。ものづくり補助金の加点項目を積み上げて有利な採択を目指すのであれば、今すぐに事業継続力強化計画を作成・策定することをおすすめします。

自社での策定方法はこちらを参考にしてください。

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