事業継続力強化計画が電子申請に対応!GビズIDは必要?

事業継続力強化計画

令和3年1月27日により、事業継続力強化計画の認定申請が電子申請でできるようになりました。

従来通り、紙による郵送申請も行うことができますので、当面は2つの申請方法のうちどちらかを選ぶことができるようになります。

電子申請(オンライン申請)は、一見すると郵送の手間もなく非常に便利に感じられます。しかし、事業者の状況によっては必ずしも電子申請に向いていないケースがあるほか、そもそも電子申請ができないケースも存在します。

事業継続力強化計画において電子申請を行う際の特徴(メリット・デメリット)を確認しておきます。

事業継続力強化計画の電子申請に関するポイント

前提として、税制優遇の利用を希望する場合、連携事業継続力強化計画の申請を行う場合、(連携)事業継続力強化計画の変更申請を行う場合には、電子申請(オンライン申請)を行うことはできません。

また、事業継続力強化計画を電子申請(オンライン申請)する場合、GビズID(gBizIDプライムアカウント)が必要となります。

電子申請による方法で事業継続力強化計画の認定を受けた場合には、認定書は発行されますが押印が省略されます。

その他、重要な点として、申請書の内容はオンライン上のフォーマットに入力が必要となります。

それぞれについて詳しく説明したうえで、事業継続力強化計画の電子申請に関するメリットおよびデメリットについて整理していきます。

電子申請を行うことができるケースとできないケース

事業継続力強化計画の電子申請が令和3年1月27日より受付開始されています。

次の3つのいずれかに該当する場合には、電子申請を行うことができず、紙による郵送申請となります。

事業継続力強化計画の電信申請を行うことができない3つのケース

※ただし、次の1~3に当てはまる場合は、現在電子申請できないため、紙での申請をお願いします。

1.税制優遇の利用を希望する場合
2.連携事業継続力強化計画の申請を行いたい場合
3.既に認定を受けた事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画の変更申請を行いたい場合

※出所:中小企業庁 事業継続力強化計画

事業継続力強化計画認定制度においては、中小企業防災・減災投資促進税制(認定された事業継続力強化計画に従って取得した一定の設備等について取得価額の20%の特別償却が適用できる)があります。この制度を利用する場合には、電子申請を行うことができません。

とはいえ、中小企業庁の資料「事業継続力強化計画の認定状況等について(令和2年7月2日)」によれば、令和元年度の認定事業者5,920件のうち、税制優遇の活用を予定して事業継続力強化計画の認定を受けた事業者は約200件(3.4%≒200/5,920)とされていますので、税制優遇の利用希望事業者は全体ではそれほど多くはありません。

連携事業継続力強化計画の申請者も全体から見れば少数で、また、変更申請を行う事業者もそれほど多くないことを考えれば、事業継続力強化計画の認定申請を行うのは、「単独型で、初めての認定申請で、税制優遇の利用を希望しない」事業者であると考えることができ、ほとんどの申請事業者が電子申請の対象と言えそうです。

GビズID(gBizIDプライムアカウント)が必要

事業継続力強化計画の電子申請は、「事業継続力強化計画電子申請システム」で行うことになります。

事業継続力強化計画電子申請システムを利用するためには、GビズIDアカウントが必要となります。既にGビズIDアカウントを取得済みであれば当該アカウントでログインすることができますが、GビズIDアカウントを持っていない場合には、まずはGビズIDアカウントの取得を行う必要があります。

GビズIDとは、1つのID・パスワードで様々な行政サービスにログインできるサービスです。

事業継続力強化計画電子申請システムにログインするためにはGビズID(gBizIDプライムアカウント)が必要
出所:事業継続力強化計画「電子申請システム」

昨今、事業者と行政のやり取りにおいてはデジタル化が進められており、特に経済産業省においては補助金申請(jGrants)等で電子申請が主流となりつつあります。そこで用いられているものがGビズIDであり、経済産業省が運営・運用しているため、安心して利用することができます。

GビズIDアカウントの取得方法は最後に紹介していますが、事業継続力強化計画の電子申請を行うためにはgBizIDプライムアカウントの取得が必要となり、この取得のためには、「印鑑証明書を添付した申請書の送付」が求められます。

また、gBizIDプライムアカウントの発行までに2週間程度掛かりますので、事業継続力強化計画の申請もそれだけ遅れるということになります。事業継続力強化計画の認定には申請から45日度ほど掛かりますので、ここに2週間加わると認定まで60日ほど掛かる計算です。

事業継続力強化計画の認定を急いでいる場合には、電子申請は避けた方が良いでしょう。

電子申請の場合、認定書は発行されますが押印が省略される

事業継続力強化計画の電子申請が始まった当初は、認定書の発行に関しては保留になっていましたが、令和3年2月26日より、認定書のダウンロードを行うことができるようになりました。

事業継続力強化計画を電子申請により認定を受けた場合には認定書に押印がされません

申請書を郵送(紙による申請)する場合には、認定書(認定通知書)には押印がされていますが、電子申請の場合には押印が省略されることとなっています。

押印された認定書を手に入れたい場合には、電子申請ではなく郵送申請を行う必要があります。

申請内容をシステム上のフォーマットに入力する必要がある

事業継続力強化計画の申請書は、ワード形式(Microsoft Word 文書 (.docx))で提供されています。

電子申請の場合には、ワード形式で入力した申請書をそのまま添付するのではなく、あらためて事業継続力強化計画電子申請システム内のフォーマットに入力する必要があることに注意が必要です。

ワード形式で作成した申請書をpdfやJpegに変換して添付する方法は電子申請システムに実装されていません。ただし、入力文字数が上限となる申請項目がある場合、入り切らなかった情報を別途添付ファイルとして提出することは可能です。

事業継続力強化計画の電子申請ではあらためて申請書内容の入力が必要です

事業継続力強化計画を策定する際には、ワード形式の申請書に入力しながら進めていくことがほとんどだと思います。

紙による申請(郵送申請)の場合には、ワード形式で申請書を作成して印刷の上、そのまま送付すれば良いわけですが、電子申請の場合には、あらためてシステム上のフォーマットに入力し直す必要があります。

もちろん、既に申請内容は出来上がっているわけですから、いわゆるコピー&ペーストを繰り返すだけの作業ではあるのですが、それでも事業継続力強化計画の申請書にはそれなりの項目数があるため、作業としては簡単とは言い切れるものではありません。

入力箇所のズレや内容の重複が起こっていないか、電子申請前の最後に十分な確認が必要でしょう。

事業継続力強化計画の電子申請に関するまとめ

電子申請は、紙による申請(郵送申請)時に必要となる送付という作業がないため、封筒や郵便切手を準備する必要がなく、発送費用も掛かりません。また、オンライン上での入力やシステムによる審査管理がなされているため、修正等の指示や対応がしやすいというメリットがあります。

一方で、GビズIDアカウントを取得していない事業者は、gBizIDプライムの取得が必須となり、取得にあたっては印鑑証明書の準備と申請書の送付に伴う郵送代が掛かります。また、GビズIDアカウントの取得には2週間の時間が必要になってきますので、事業継続力強化計画の申請・認定もその期間分、遅れる可能性があります(事業継続力強化計画の認定は申請後45日程度であるため、合わせて60日掛かる計算)。

また、ワード形式で完成させた申請書をあらためてシステム上で入力し直す必要がありますので、手間が掛かるというデメリットがあると言えそうです。さらに、認定書に押印がされないということで、認定書に価値を置いている事業者にとってはデメリットと言えるでしょう。

したがって、gBizIDプライムを取得している事業者を除き、現時点においては紙による申請(郵送申請)がおすすめです。

郵送による申請方法に関する詳細記事

とはいえ、補助金申請などにおいては電子申請が主流になりつつあり、紙による郵送申請は行政とのやり取りにおいてどんどん消滅していくのは確実です。

事業継続力強化計画の対象事業者は、小規模事業者から中小企業まで多くの事業者が含まれていますので、すぐに全面電子申請に移行するということはないと思われますが、将来的には電子申請のみという形になっても不思議ではありません。

今の時点で紙による申請を行った場合でも、GビズIDアカウントはいずれ必要になる可能性が高いため、取得しておくことをおすすめします。

GビズIDアカウントの取得方法

事業継続力強化計画の電子申請に必要なGビズIDアカウント(gBizIDプライム)の取得方法

GビズIDアカウントには3つの種類があります。

事業継続力強化計画の電子申請は、gBizIDプライムもしくはgBizIDメンバーのいずれかのアカウントで行うことができるとされています。

このうち、gBizIDメンバーというのは、gBizIDプライムの取得を受けたうえで発行されるアカウントとなりますので、事業継続力強化計画の電子申請を行うためには「gBizIDプライム」のアカウント申請を行う必要があります。

GビズIDの3つの種類
出所:GビズIDクイックマニュアルgBizIDプライム編

gBizIDプライムのアカウント登録において必要なものは、「メールアカウント」「操作端末」「プリンター」「印鑑証明書と登録申請書」「スマートフォンもしくは携帯電話」です。

個人事業主でも法人でも必要となる書類は同じです(個人の場合には市区町村発行の印鑑証明書と実印、法人の場合には法務局発行の印鑑証明書と代表社印)。

事業継続力強化計画の電子申請で必要なGビズIDの発行方法

アカウント登録は、複雑ではありませんが、簡単でもありません。

つまり、シンプルですが手間が掛かります。

GビズID(gBizID)サイト上で、gBizIDプライムのアカウント作成を選び、必要項目を入力します。入力内容はそれほど難しくありません。

入力が完了すると、自動的に申請書が出来上がりますので、それを印刷します。

印刷した申請書の内容を確認し、作成日の記入と押印(実印または代表社印)を行い、印鑑証明とともにGビズID運用センターへ郵送にて送付を行います。

審査後、不備がなければ登録完了のメールが送信されますので、そこに記載されたURLをクリックし、登録したSMS番号に届くワンタイムパスワードを入力して確認が取れればアカウントを取得することができます。

申請から取得(発行)までに2週間ほど掛かりますので注意が必要です。

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