CD-Rは不要!事業継続力強化計画申請時の提出書類が変更(令和2年6月15日)
事業継続力強化計画については、「事業継続力強化計画策定の手引き」がバイブル的な存在であり、ここには策定方法はもちろん申請に関しても詳細に解説がされています。
事業継続力強化計画策定の手引きが、令和2年6月15日付で変更・更新されましたので、変更点を確認しておきます。
大きな変更としては、申請時の提出書類からCD-Rが不要になったことです。また、提出書類である「チェックシート」の内容も変更となっていますので、これから事業継続力強化計画の申請手続きを行う場合には注意が必要です。(連携事業継続力強化計画に関しても同様の点で変更になっています)
令和2年6月15日版の変更点
事業継続力強化計画策定の手引きは、制度開始以降、たびたび変更・更新が行われています。
直近では令和2年5月19日に更新されたばかりですが、今回は申請時の必要書類が変更になっているため、これから申請する事業者にとっては重要な変更と言えそうです。
変更点・箇所について3つに整理しておきます。
1.CD-Rの提出が不要になった
従来までは、申請に必要な書類として、
- 1.申請書(原本)
- 2.チェックシート
- 3.BCP等の参考書類がある場合は、その書類
- 4.1~3の電子データ(①はPDF、②はExcel)が格納されているCD-R
- 5.返信用封筒
の5つが挙げられていましたが、令和2年6月15日以降はCD-Rの提出が不要と変更されました。
(出所:事業継続力強化計画策定の手引き、中小企業庁)
これによって、申請時には紙ベースの書類のみの申請となります。(データのメール送信等も必要ありません)
認定を受けた事業者は中小企業庁HPで公表
事業継続力強化計画および連携事業継続力強化計画の認定を受けた事業者は、中小企業庁のホームページ上で公表されることが前提となりました。
(出所:事業継続力強化計画策定の手引き、中小企業庁)
事業者名の公表については、制度開始時には「公表および非公表について事業者が自由に選択」を行うことができましたが、その後は、「原則として公表」へと変更になり、非公表を選ぶことも選択肢として残されていました。
ところが、今回の変更では、「公表が前提」となっており、非公表という選択肢はなくなりました。したがって、事業継続力強化計画および連携事業継続力強化計画の認定を受けた事業者は必ず公表されることになります。
事業者名を公表されることにメリットはあってもデメリットはありませんし、非公表を選ぶ事業者はほとんど存在しなかったものと考えられます。
チェックシートの変更
事業継続力強化計画(連携事業継続力強化計画)の申請時には、申請書とチェックシートが必要書類となっていますが、チェックシートが令和2年6月15日付で変更されています。
変更点は、事業継続力強化計画策定の手引きと連動するかたちで、事業者名の公表箇所が変更になっています。
(出所:チェックシート(単独型のもの)、中小企業庁)
今後は、事業者名・都道府県名・HPのURL、いずれも非公表を選ぶことはできなくなりました。
まとめ
令和2年6月15日以降に事業継続力強化計画および連携事業継続力強化計画の申請を行う場合には、必要書類が変更されていることに注意が必要です。
また、申請書に不備や修正箇所がある場合、再提出の方法なども変更になる可能性がありますので、指示事項は十分に確認をするようにしてください。
今後について
事業継続力強化計画よりも2年ほど前に認定がスタートしたものに、経営力向上計画があります。
経営力向上計画では、令和2年4月より、電子申請による受付が開始されています。今後は、事業継続力強化計画も電子申請に対応する可能性が高く、スムーズな申請が実現されるようになると考えられます(本記事の執筆は、令和2年6月15日です)。
(出所:経営力向上計画の申請をお考えのみなさまへ、中小企業庁)
1.電子申請のメリット
一般的に考えられるのは次のものがあります。
- 申請書類の送付費用(郵送代)が掛からない
- 24時間いつでもどこでも申請できる
- 修正等があった場合のサポートが受けやすい
2.事前準備
子申請を行う場合には、専用のIDを準備する必要があり、経済産業省関連のさまざまな申請においては「GビズID」が用いられています。
経営力向上計画だけでなく、いくつかの補助金では電子申請が開始されており、その際にも「GビズID」が必要となっていることから、今後はいろいろな手続きにおいて必須のIDとなりそうです。
GビズIDは無料で取得することができます。個人事業主と法人では用意する資料に若干違いがありますが、印鑑証明等を送付し、審査のうえ、IDが発行されます。今後、補助金などへの申請を予定しているようであれば、取得しておいても良いでしょう。
混みあっている時に申請すると審査に日程が掛かりますので、余裕を持った申請が必要です。