事業再構築補助金で加点?事業継続力強化計画の認定を採択率アップに活かす方法

事業継続力強化計画

事業再構築補助金で新型コロナウイルス感染症を乗り越える

新型コロナウイルス感染症の影響によって経営的に厳しい中小企業者が多いなか、事業再構築補助金が注目されています。

事業再構築補助金は2021年3月より公募がスタートしますが、有利に採択されるためには「加点項目」を獲得していくことがポイント。

事業再構築補助金の公募要領はまだ発表されていません(3月9日現在)が、事業継続力強化計画が加点対象になることを見込んで、事業継続力強化計画の認定を受けておくことをおすすめします。

策定自体はそれほど時間を要するものではありませんし、仮に、事業継続力強化計画が事業再構築補助金の加点対象にならなかった場合でも、事業再構築補助金の審査対象となる事業計画の中に事業継続力強化計画の認定を受けていることをアピールすることで、事業計画に説得力を持たせることができるようになる、というメリットがあります。

事業再構築補助金における事業継続力強化計画の活かし方を説明していきます。

追記

令和3年3月26日より事業再構築補助金の公募要領が公開されました
公募要領によれば、事業継続力強化計画の認定は、事業再構築補助金の加点対象には該当していません。

とはいえ、事業継続力強化計画の認定を受けている事実を事業計画の中に盛り込むことによって、直接的な加点対象とはならないものの、自然災害や新型コロナウイルスの影響を最小限に抑えながら、事業再構築の取り組みを持続的かつ継続的に進めていくものとして審査委員に対してアピールすることは可能であると考えられます。

事業継続を意識した内容を少しだけでも組み込んでおくことで、事業計画の成功確率の高さはもちろん、地域社会の貢献性や業界内での率先した取り組みとしてのPRを行うことで、審査委員の心証を良くする効果も期待できます。

事業再構築補助金の事業計画を策定するだけで手がいっぱいというのが正直なところかと思いますが、事業継続力強化計画は2日程度あれば、自社だけで作成し認定を受けることが十分に可能となっています。

また、事業再構築補助金の審査において有利であるかどうかを問わず、今後の事業を継続していくために事業継続力強化計画の認定を受けておくことは価値があると考えられますので、この機会に作成をしてみたらいかがでしょうか。申請を行えば45日後には認定を受けることが可能となっていますので、事業再構築補助金の申請には十分に間に合わせることが可能です。

自分で事業継続力強化計画を作成する方はこちらを参考にしてください。

事業再構築補助金採択のポイント

事業再構築補助金(詳細は後述)は、原則として設備投資が対象となる補助制度です。この点、従来から実施されている「ものづくり補助金」と似たものとして考えることができます。

事業再構築補助金は申請すれば誰でも補助を受けられるというわけではなく、審査のうえ、採択される必要があります。これは、ものづくり補助金においても同様であり、そうならば、ものづくり補助金に関する採択結果を事業再構築補助金にも活かすことができるという考え方になります。

ものづくり補助金の採択情報は、データポータルとして公開されています。この資料を参考にするならば、事業再構築補助金の採択率を高めるためのポイントには、2つあることが分かります。

それが、「加点を意識すること」と「事業計画を作り込むこと」です。

加点を意識する

ものづくり補助金では、加点項目を積み上げることが採択において重要なポイントになっています。ものづくり補助金では、データポータルによってさまざまなデータが開示・公開されています。

これによれば、3個の加点項目を取った事業者の採択率が最も高くなっています。

ものづくり補助金で採択されるためには加点を積み上げることが重要
出所:ものづくり補助金 データポータル

加点0の場合には非常に厳しい採択率になっていることからも、加点項目をいかにして積み上げるのか、というのは事業再構築補助金の申請において大きなポイントになるといえるでしょう。

令和2年度のものづくり補助金において、加点項目は大きく4つに整理されています。

  1. 成長性加点:経営革新計画の承認
  2. 政策加点:小規模事業者または創業5年以内の事業者
  3. 災害等加点:事業継続力強化計画の認定
  4. 賃上げ加点等:規定された要件を満たす賃上げの実施計画

このうち、事業継続力強化計画は認定のハードルはそれほど高くはありません。したがって、ものづくり補助金の申請時には事業継続力強化計画の認定を受ける(申請済み)のはほぼ必須となっているのが現状です。

事業再構築補助金も複数の加点項目が存在しますが、事業継続力強化計画が加点対象になるという前提で、あらかじめ認定を受けておくと申請段階で慌てずに済みます。

事業計画の策定

事業再構築補助金では、「事業計画」が審査対象となります。したがって、加点項目を積み上げるのは大切ですが、それ以上にそもそもの事業計画がしっかりと策定されていることが採択率アップのためにはポイントになります。

また、事業計画を策定することは、売上高アップに貢献することが分かっています。

小規模企業白書2016(中小企業庁)によると、経営計画を策定したことのある事業者と経営計画を策定したことがない事業者を比較した場合、経営計画を策定したことがある事業者の方が売上高の増加率が高いことが分かっています。

ここでは事業計画ではなく経営計画という用語を使っているのは、小規模事業者は単一事業を営んでいることが多いため、事業計画そのものが経営計画に相当するためと考えられます。

経営計画(事業計画)の策定は売上高を増加させる傾向にある
出所:中小企業庁 小規模企業白書2016

これは小規模事業者のデータですが、中小企業全般に当てはまると考えて問題ないでしょう。

事業再構築補助金を獲得するために重要な事業計画ですが、多くの事業者はその策定経験がありません。

小規模事業者に関して言えば、事業計画(経営計画)を作成した経験があるのは個人事業者で43.9%、法人で64%となっており、総合的に考えるとおよそ半数の事業者で事業計画の策定を行ったことがないということになります。

半数程度の小規模事業者は経営計画(事業計画)を策定したことがない
出所:中小企業庁 小規模企業白書2016

一方、作成した経験があるという事業者の動機を見れば、「補助金申請で必要となったから」が圧倒的に多いのが特徴的です。ここでの補助金は、小規模事業者持続化補助金のことを指していると考えられます。

補助金をきっかけに経営計画を策定する事業者が多い
出所:中小企業庁 小規模企業白書2016

小規模事業者と中小企業の状況はそれほど大きく変わりませんので、中小企業においても事業計画(経営計画)を作成した経験のある企業は少ないものと考えることができます。

そして、今回の事業再構築補助金の申請に向けて、初めて事業計画を策定するという企業が増えるではないでしょうか。これらのことも考慮されてか、事業再構築補助金の事業計画は、認定経営革新等支援機関と一緒になって策定を行い、確認が必要ということになっています。

事業計画にはさまざまな内容を盛り込むことが要求されていますが、加点項目になるかならないかは別として事業継続力強化計画の認定を受けたことを計画内で訴求することができます。

事業再構築補助金においては、比較的大掛かりな設備投資が補助の対象です。これらの設備が、自然災害によって損壊等により使えなくなってしまえば、事業再構築補助金を有効に活かすことができなくなります。

そのため、「自然災害に備え設備等の事前対策を検討し、事業継続力強化計画の認定を受けている」といった内容を事業計画に盛り込むことは、直接的な加点にはならないとしても、事業計画自体の説得力を高めることには繋げることができます。

まとめ

令和2年10月1日より、事業継続力強化計画に感染症等が盛り込まれ、自然災害だけではなく、感染症に関する事前対策などを検討できるようになりました。

事業再構築補助金の申請へ活かすのはもちろん、まだまだ影響が予想される新型コロナウイルス感染症への対策としても有効ですので、早めに認定を受けておくと良いのではないでしょうか。

事業継続力強化計画の認定はそれほど難しくなく、自社で策定することができます。申請から認定までに45日ほど掛かりますのでお早めに。

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事業再構築補助金について

事業再構築補助金とは、新型コロナウイルス感染症の影響によって変化した社会へ対応するため、新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行う中小企業に対して国が支援する補助金です。

補助金ですから、原則として返還する必要はありません

事業再構築補助金のパンフレット表
事業再構築補助金のパンフレット裏

他にもさまざまな補助金制度が存在するなかで、事業再構築補助金が注目されているのは大きく3つの理由を指摘することができます。

1.予算額

事業再構築補助金の事業費は令和2年度第3次補正予算によって1兆1,485億円(採択件数は55,000件程度)が計上されています。これは、近年の補助金予算としては非常に大きな予算額となっています。

設備投資を行う中小企業を支援するものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金)は、年間でおよそ1,000億円程度ですから、事業再構築補助金の予算額の大きさは相当なものです。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大によって特に大きな影響を受けた事業者に対する持続化給付金は、給付総額がおよそ5.5兆円で、多くの企業が対象となりました。

事業再構築補助金は持続化給付金のおよそ5分の1に匹敵する予算額という点でも、非常に大きな予算となっています。

2.補助額

事業再構築補助金の補助額は、通常枠においては最大6,000万円(100万円~6,000万円)と非常に高額な補助金となっています。

中小企業に対する補助金として高額なものに「ものづくり補助金」がありますが、ものづくり補助金でも一般型は1,000万円(100万円~1,000万円)となっていますので、事業再構築補助金はその6倍もの補助を受けることができます。

3.補助対象

事業再構築補助金の補助対象には、建物の建設費、建物改修費、撤去費が含まれています。事業者向けの補助金はさまざまありますが、「建物に関する費用」が補助金によって支援されるというケースは非常に珍しいといえます(ただし、不動産の購入は補助対象外)。

少なくとも、広く公募される補助金において建物に関する費用が補助される補助金は、事業再構築補助金以外にはありません。

事業再構築補助金のポイント

事業再構築補助金は、「補助金」であって、給付金とは異なります。3つのポイントをあらかじめ確認しておきましょう。

1.補助されるのは全額ではない

事業再構築補助金の補助率は基本的に2/3(最低1/2、最大3/4)となります。

例えば、新たに300万円の機械設備を導入する場合に補助金として支援されるのは200万円ですから、100万円は事業者の負担となります。

さらに、補助金は「原則事業実施後の後払い」となりますので、建物を建設するような場合には、建物完成後の入金となる可能性があるため、十分な資金繰りを検討しておく必要があります。

2.原則として設備投資が対象

事業再構築補助金は、「設備投資を支援するもの」と明記されています。

設備投資とは、建物費(建物の建築・改修に要する経費)、建物撤去費、設備費、システム購入費、リース費などのことです。

設備投資以外にも、新しい事業の開始に必要となる研修費、広告宣伝費・販売促進費も補助対象となりますが、あくまでも補助的な位置付けであることに注意が必要です。原則として、業態転換に伴って広告宣伝のみを事業再構築補助金によって支援してもらうという使い方は想定されておらず、設備投資が伴う取り組みであり、かつ、設備投資への補助金による支援希望が前提になります。

3.審査で採択される必要がある

事業再構築補助金は、申請すれば必ず支援を受けられるというものではありません。

補助金は、給付金(例えば持続化給付金)のように要件を満たしていれば申請によって必ず支援されるというものではなく、申請を行ったうえで審査が行われ、支援の可否が決定されます。

審査に通ることを「採択」と呼んでいますが、採択されるためには申請書をしっかりと作り上げる必要があります。

採択率を高める申請書づくり

事業再構築補助金は、「事業計画」によって審査が行われ、採択の可否が決定します。

補助金の審査では、申請事業者によるヒアリングや直接面談などが行われることはなく、書面審査がすべてとなりますので、事業再構築補助金の採択率を高めるためには事業計画の策定に力を入れることが求められます

事業再構築補助金は、「認定経営革新等支援機関」との相談により、事業計画を作成することになります。

補助額も大きく、また、新型コロナウイルス感染症への対応を確実なものとするため、しっかりとした事業計画が求められるのは当然のことです。事業者にとっても、補助事業を確実に遂行するためには、認定経営革新等支援機関のサポートは大きな意義があるものと言えます。

認定経営革新等支援機関は、中小企業を支援できる機関として経済産業大臣が認定した機関のことであり、現時点で全国に3万以上の者が認定を受けています。

事業再構築補助金の事業計画には、

  • 現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性
  • 事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
  • 事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法
  • 実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む)

などの要素を盛り込む必要があります。

中小企業において、「経営計画(事業計画)」を毎年、積極的に策定している事業者は非常に少なく、事業再構築補助金の申請にあたって初めて事業計画を策定するという事業者も多いはずです。

自社だけが活用するための事業計画であれば、決められたフォーマットがあるわけではなく、自由に策定すればそれで構いません。しかし、事業再構築補助金のように、審査員という第三者に開示し、客観的に評価をされるとなれば、事業計画には「合理性と説得力」が求められることになります。

事業再構築補助金の採択を獲得するレベルの事業計画書を仕上げていくためには、認定経営革新等支援機関とのやり取りなども考慮するならば、最低でも1か月程度は必要になると言えます。

併せて、有利に採択されるための「加点」も狙うとすれば、やらなければならないことはたくさんあります。限られた時間のなかで、事業計画の策定と加点項目の準備を進めていくことが大切になってきます。

事業継続力強化計画は自分で作成できます!

【2日間で完成!】自社で作る事業継続力強化計画策定方法

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