事業継続力強化計画は補助金の加点対象になる!ものづくり補助金と?

事業継続力強化計画

事業継続力強化計画は、中小企業・小規模事業者が防災・減災の事前対策に関する内容を策定し取りまとめたもので、申請を行うことで国(経済産業大臣)から認定を受けることができます。

認定を受けることで、「補助金での優先採択」を受けることができるようになります。

現時点では、事業継続力強化計画の認定を受けることで、「ものづくり補助金」の審査で加点を受けることができるようになっています。

コロナウイルス感染症対策として、補助金活用も積極的な支援が進んでいますので、補助金に関する簡単な説明を兼ねて紹介しておきます。

また、事業継続力強化計画認定制度は中小企業強靭化法に基づいて行われていますが、この中小企業強靭化法の施行前には「持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)」も加点対象になっていたことに関しても触れてみたいと思います。

補助金と給付金の違い

補助金は、国の政策目標を実現するために、その目的にあった事業に取り組む事業者に対して、実施のサポートのために給付するお金のことです。

経済産業省が実施するものとして有名なものに、生産性革命推進事業があります。

働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入など相次ぐ課題・制度変更に対して、中小企業・小規模事業者が柔軟に対応するためには、国としては「生産性向上」が重要である、としています。

この政策目標を受け、生産性向上への取り組みを行う事業者に対して、経済産業省(中小企業庁・中小企業基盤整備機構)では、生産性革命推進事業が実施されており、「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」といった、3つの補助金が公募されています。

中小企業生産性革命推進事業チラシ
中小企業生産性革命推進事業(ものづくり補助金・持続化補助金・IT導入補助金)チラシ

補助金の特徴

補助金と似たものに給付金があります。例えば、持続化補助金持続化給付金は名称は似ていますが、次の2点において異なる性質を持っています。

補助金は申請(応募)を行っても「審査」が行われるため、必ずしも採択されるとは限りません。申請時には、取り組みに関する具体的な経営計画などを提出する必要があります。一方、給付金は要件を満たせば当然に受給することができます

補助金の使途は厳格に制限されており、原則として申請時に記載した使途以外には認められず、実際にその通りに使ったことを報告することで初めて補助金が交付されます。給付金は受給したお金の使い道は自由で、何ら制限されることはありません。

別にどちらが良いというわけではありませんが、性格的に異なるものであるということは理解しておく必要があります。

なお、補助金と給付金はどちらかを選ぶというものではなく、条件を満たせしていればいずれも申請・応募することができます。

事業継続力強化計画の支援策

事業継続力強化計画の認定を受けることで、金融支援・税制優遇・予算支援などいくつかの支援策が受けられるようになります。

詳細は、事業継続力強化計画のメリットとインセンティブに整理してあります。

中小企業庁の資料では、認定を受けた企業に対する支援策として、「低利融資、信用保証枠の拡大等の金融支援」「防災・減災設備に対する税制措置」「補助金(ものづくり補助金等)の優先採択」「連携をいただける企業や地方自治体等からの支援措置」の4つが挙げられています。

事業継続力強化計画認定制度の概要:表紙
事業継続力強化計画認定制度の概要(令和元年9月)中小企業庁

出所:事業継続力強化計画認定制度の概要(平成元年7月16日施行)、令和元年9月、中小企業庁経営安定対策室

補助金の優先採択は、予算支援として行われているものです。

ものづくり補助金は、他の補助金と比べて交付金額も大きいため、採択率をアップさせるために、事業継続力強化計画の認定を目指す事業者も少なくありません。

法施行直後から、ものづくり補助金の加点対象へ

事業継続力強化計画の認定制度が開始されたのは、令和元年7月16日(中小企業強靭化法の施行日)です。

その1か月後となる8月19日より、ものづくり補助金の公募(平成30年度補正二次公募)が開始されましたが、この時点ですでに事業継続力強化計画は加点対象とされていました。

当時の公募要領から、該当部分を抜粋したものが次のものです。

平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金【2次公募要領】表紙
平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金【2次公募要領】公募期間
平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金【2次公募要領】加点対象
出所:平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金【2次公募要領】、2019年8月、全国中小企業団体中央会・都道府県地域事務局

事業継続力強化計画が加点項目の欄に記載されていることが確認できます。なお、既に認定を受けている場合だけでなく、「申請中を含む」とあります。事業継続力強化計画は、申請から認定までの期間を45日としていることを考慮した措置であると考えられます。

直近のものづくり補助金でも加点対象

ものづくり補助金は、継続的に実施されていますが、直近のものづくり補助金においても、変わらず事業継続力強化計画は加点対象とされています。

令和2年6月30日現在、最も新しいものづくり補助金の公募要領を抜粋したものです。

令和元年度補正・令和二年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領表紙
令和元年度補正・令和二年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領加点対象
出所:令和元年度補正・令和二年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領〔一般型(特別枠・事業再開枠含む)〕(3次締切分)3.2版、令和2年6月、ものづくり・商業・サービス補助金事務局(全国中小企業団体中央会)

加点項目に、事業継続力強化計画の認定が記載されていることが確認できます。認定予定でも構わないというのは、現在も続けられているようです。

今後のものづくり補助金においても、同様に事業継続力強化計画は加点対象になると予想されます。

加点対象はものづくり補助金だけ?

事業継続力強化計画の認定を受けることで加点対象となる補助金は、現時点(令和2年6月30日時点)では「ものづくり補助金」だけとなっています。

しかし、実は、中小企業強靭化法の施行前には、「持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)」も事業継続力強化計画の認定を受けることで加点対象の候補として挙がっていたのです。

中小企業庁による令和元年6月の資料です。

事業継続力強化計画認定制度の概要(令和元年6月)表紙
事業継続力強化計画認定制度の概要(令和元年6月)
出所:事業継続力強化計画認定制度の概要、令和元年6月、中小企業庁経営安定対策室

この資料では、認定を受けた企業に対する支援策として、「補助金(ものづくり補助金、持続化補助金)の優先採択」と記載されています。

中小企業強靭化法の施行後には、ここが「補助金(ものづくり補助金等)の優先採択」へと変更になった、という経緯があります。

令和元年9月の資料
事業継続力強化計画認定制度の概要(令和元年9月)
令和元年6月時点の資料
事業継続力強化計画認定制度の概要(令和元年6月)

力を入れて実施されている生産性革命推進事業は、「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」の3つを柱としています。事業継続力強化計画の認定を受けることで加点対象となる補助金がものづくり補助金以外に増えるとしたら、「持続化補助金」「IT導入補助金」が候補となってきます。

ただし、持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)は申請(応募)数が非常に多いことで知られており、仮に事業継続力強化計画の認定が加点対象となれば、事業継続力強化計画の認定申請も急増する可能性があります。

これは、事業継続力強化計画の認定件数の増加にはつながりますが、本来の事業継続力を強化するという趣旨からは逸れるという危惧があるという点は指摘できるでしょう。

そもそも、事業継続への取り組みは自助によって行われるものであって、補助金ありきの事業継続力強化という順序よりは、事業継続力強化の取り組みを行った事業者に対するインセンティブとして各種の支援策があるという順序が本来の姿ともいえます。

とはいえ、事業継続力強化計画が、現に、ものづくり補助金の加点対象になっていることは事実なのですから、補助金という存在をきっかけに事業継続力を強化するという順序があっても否定されるわけではありません。

大切なことは、事業継続力強化計画を策定しただけで終わらせず、実際に運用することで自社の事業継続力を強化していくということです。

むしろ、補助金をきっかけにして、自社の事業継続力強化を実現できるならば、これほど有益なことはないと言えます。

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詳細は、事業継続力強化計画はマーケティング活動!攻めと守りの経営へ。

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